HidekiIshimoto

ダラスの熱い日のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

ダラスの熱い日(1973年製作の映画)
4.0
あの“ハリウッドテン“のトランボ脚本、ケネディ暗殺の(仮説の)真相映画ってことで期待。頻繁に出るJFKとオズワルドは全て実録映像の本人で、それ以外は(架空の)暗殺計画者と実行者のみ。徹底的な実行準備やTVの本物ケネディを観ながら暗殺実行を決定していく辺りと、オズワルドを犯人に仕立て上げていく辺りのリアルさ。これは本当に(仮説)なのか? 普通の架空映画なら必ずいるはずの阻止者が誰もいないまま、架空じゃない暗殺の瞬間に近づいていく怖さ。これの歴史改変もやってよタランティーノ。FBIでもCIAでもないこの計画者たちのモデルは財界の人間なのか?それとも人間じゃなくてゼイなのか?彼らの態度に滲み出てる「私が国家だ」感。正義も自由も平和も「私」こそが基準であり、その基準から外れるものは絶対許容する気がないような特権感。保育園から国家まで、どのレベルの社会にも必ずいるよなそういう奴。“奈良の暑い日“もこの内容と密度でメジャー映画化希望。