にょこ

パンズ・ラビリンスのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

カバーに騙されちゃダメなやつ。

現実世界はまさに内戦そのものの重苦しい雰囲気で、空想世界もそこに反映されてダークだけど美しい世界観でした。


地下の王国、自分は実はプリンセス、三つの試練など、現実があまりにも重苦しいために空想も恐ろしいのだけど、いろんな絵本から得たファクターを自分の空想に取り入れているように思える。

ただ、
これ、本当にオフィーリアの空想なのか?本当に地下の王国があったのか?
それを判断するのが初見では難しかった。
というか、本当に王国があってくれと願いたくなるほど凄惨な現実。

魔法のチョーク云々の下りで
メルセデスがオフィーリアを助けるために部屋のドアを開ける時に鍵はかかってなかったんだろうか。
オフィーリアが部屋から出たなら本当に魔法使った?とか思いたくなるんですよ。。

残酷描写も、中々ですが無駄に数が多いとかではない。
大尉の恐ろしさを伝えるに十分でした。
大尉自身も、神経質で完璧主義、ちゃんとキャラクターがあって面白かったです。

また、子供の目線がリアルだなぁと思うのですが…
いくら自分を守ってくれない母でも唯一無二の母なんですよね。
子供からしたらどんな親でも、絶対的な存在なんです。
最後の王国に赤子を抱いていた王妃もオフィーリアの母を求めている願いが反映されていてより辛い。

孤独で、母にすら守ってもらえず、結果として命を奪われていくのに、どこまでも優しいお姫様でした。
それがとても哀しかった。
にょこ

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