トムヤムクン

パンズ・ラビリンスのトムヤムクンのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.0
どうあがいても絶望みたいな時代に生まれたが故に、彼女は空想に救いを求めたのかもしれません。童話の世界が含む生々しい残酷さを洗い落とすことなく忠実に映像化する最高のオタク、デルトロの感性が光ります。ペイルマンが妖精を噛みちぎって血が糸を引いているところとかウフッて感じですわ。町山さんがスペイン映画の傑作『ミツバチのささやき』や宮崎アニメとのインターテクスト性を指摘されていまして、なるほど感。デルトロは人間世界を諦めきってるわけではないにせよ、そこからの脱出というか外側を模索するということをやってて、そこに彼の怪獣表象の政治的な重要性はありますね。それを思うと改めて『シェイプオブウォーター』を観たいし、観ていない『パシフィックリム』も気になるところ。
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