道人

タイタンの戦いの道人のネタバレレビュー・内容・結末

タイタンの戦い(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【2010.04 劇場観賞(3D字幕)】

 私とって、初の3D映画(厳密にいうと、子供の頃にあの「赤と青のメガネ」で飛び出すアニメ映画は観たかな)。

「神を出し抜けたら…」ドラコ隊長〜〜〜ッッッ〜!

 マッツ・ミケルセン演じるドラコ隊長の「歴戦の古兵」感がたまらない作品です。「伝説の勇者」の華やかさはないかもしれないけど、神話の世界で(神々や怪物から見たら)地べたを這いずり回っている人間の、それでも自分の両足で大地を踏みしめて戦い抜く矜持…良い!メデューサに石にされるところで、
やり切った男の不敵な笑みのまま固まっていくところがまた素晴らしい表情で。壊されなかったら「名もなき勇士」として永久に神殿に飾っておきたいくらいでしたよ。

 様々な戦いが描かれますが、ベストバウトはメデューサ戦ですね。メデューサも「神々」の犠牲者なのにねぇ…。禍々しさの中に、かつて神をも魅了した美しさ(演じるナタリア・ヴォディアノヴァがいい表情で魅せてくれる!)が確かに残っている造形…「人間」から「怪物」になった感じがしっかり残っていていいなぁ、と思いました。異形の呪いが、彼女の心を蝕んでいっんだろうな、という風にも感じました。
 メデューサが首を落とされて初めて「全身を支配する憤怒」「獣の狩猟本能」の呪縛から解放されたかのようにスッと「少女」の顔に戻るシーンが印象的です(その後ろで、首を落とされても生きようともがく身体に“爬虫類の怪物”としての生々しさがあってまた凄い)。

 頭髪を短く刈り込んだサム・ワーシントン演じる主人公・ペルセウスの「鋼の心の勇者」ぶりも格好いいし、ギリシャ神話の魅力でもある神々と人間の生々しい関係もしっかりと描かれた作品で、とても楽しめました。
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