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クンドゥンのmajiziのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
5.0
ダライ・ラマ14世の半生を描いた作品。
マーティン・スコセッシ監督。

自伝を読んだことがあったので、観ていると結構忠実に描いてるんだと思ったら、ダライ・ラマ自身、本作品へ様々なアドバイスをしたとか。

しかも出演者にはダライ・ラマの親戚もいたり、亡命チベット人がほとんど。
アメリカ映画だから英語なのは仕方ないけど、スタッフもかなり力を入れて制作したことが伺えます。

当時から相当な圧力があり、中国での公開などもってのほかで、作品の輸入も禁止、アメリカでも公開は制限されたらしいので、恐らく興行は期待していなかったんでしょう。
作品を制作することに意義を感じていたと思います。

終盤の砂曼荼羅と国境越えの重なるシーンは、芸術的かつ静謐な雰囲気で、とても胸にくるものがありました。若かりしダライ・ラマ14世の心の内は、どれほどの苦しみだったのか。

チベットの風習や宗教的文化を垣間見ることが出来て、昔からの中共の暴横無道っぷりと、現在ではそれがさらにエスカレートしていることも顕示されている作品です。
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