クンドゥンの作品情報・感想・評価

「クンドゥン」に投稿された感想・評価

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ベルトルッチの『リトル・ブッダ』あたりと比べると、英語を喋ってはいるものの、亡命したチベット人を使った白人皆無のキャストなのでかなり硬派。こんなものをディズニー系列のタッチストーンで製作するには、対中共プロパカンダ色を薄めて、芸術映画のふりをしなくてはいけないわけで、そこを担っているのが撮影監督のロジャー・ディーキンス。映像が美しいのは間違いないが、彼の気質に題材が合っていたのかは、甚だ疑問で、スコセッシとの仕事もこれが最初で最後である。
砂で描いた曼荼羅のように、風に吹かれて消えて忘れ去られて行く映画群の中で、今作のフィルムグレインは今も生き残っているが、まったく面白くないのは、やはり問題だろう。
Ayali

Ayaliの感想・評価

2.5
常識以上にはチベット仏教の前知識を持たずに観たため、どの程度アメリカナイズされているのか分からなかった。

宗教としてのチベット仏教を期待していたが、思っていたよりも政治的な話だった。当然、避けては通れない問題だけど。
同じスコセッシ監督の「沈黙」でも内的な宗教観の描写がいまひとつ、というレビューを目にしたけどどうなのだろうか。まだ観ていない。
監督のスタンスは分からないけど、政治的な利権や歴史だけでなく、チベットが独立を主張しダライ・ラマを守ろうとする内的な要因を描いても良かったのではないか。

歴史的経緯は分かっても、なぜチベットが命を賭してまで独立を守りたいか、ダライ・ラマを亡命させたいかが見えてこない。これでは信仰にある程度素養のある人ならまだしも、唯物論者や無神論者には決して通じないだろう。
中国を悪として、善悪二元論的に描かれているのも気になる。毛沢東が露骨に失礼で、本当にああいう言い方をしたのだとしても、本当に中国側が一方的に侵攻してきたと言っても、それをそのまま描くだけでは単にチベットが売られた喧嘩に抵抗しているようで、深い苦しみのなかでの決断の意味が見えず説得力に欠ける。
言いたいのは、「中国が侵攻した、チベットは独立を主張している」というだけでは事実でしかなくて、もっと根深い問題があるのではないかということ。それを描かなければ迫ってくるものがない。観者の想像力任せ、と感じた。

とはいえ、ダライ・ラマ役と、時折入る宗教者らしい台詞、もっと知りたいという気持ちを起こさせてくれたことはよかった。
この映画を観たのはインド旅行から帰ってきた後だったのだが、インドに行く前に観ておけばよかったと激しく後悔した。ダラムサラに行けば良かった!
とにかく1発で主人公、ダライ・ラマ14世のファンになってしまった。幼少期からダライ・ラマとなり、世界の潮流に流され続け、ついにはインドへ亡命…激動の時代を生き抜いた彼の言葉には、一つ一つに説得力があり、力があり、感動させられる。
この作品で傑出してるのは、やはり毛沢東とダライ・ラマの会話シーンだと思う。なにより毛沢東がメチャクチャ怖い!カリスマ性があって、知性もあり、その上で確固たる信念もあるというような人物描写で、「あ、この人には絶対勝てないな」という絶望感を、ダライ・ラマと一緒に味わった気分。
こえ

こえの感想・評価

4.5
スコセッシがダライ・ラマの映画を撮っていたなんて知らなかった。映画全般を通してスコセッシ・クオリティなので、存分にその世界観を堪能できた。
内容は、ダライ・ラマ14世の幼少期から、1959年にインドに亡命するまでの話。この映画の他と違う点は、彼の家族にもスポットを当てているところだろう。いきなり、あなたの息子はダライ・ラマの生まれ変わりです、と言われてから、即位し、ダライ・ラマの血族としてポタラ宮に住むわけだから、そこも大事だよなって思った。
全編を通して流れる低い音の荘厳で重苦しい雰囲気。特に、神降ろし(?)の儀式のときの、長いホルンみたいな楽器とその異様な雰囲気、トランス状態の憑代。
14世は1935年生まれ、5歳で即位なので、第二次大戦期を通して少年期を経験していることになる。
中国共産党にとって、宗教は「毒」。脅威をちらつかせる毛沢東にもあくまで非暴力で対抗するチベット側だったけど、その点に関しては、チベット内部でもいろいろな意見があった(ある)ようだ。
中盤にあった、「あなたの最期はチベットの最期です」という言葉が重い。考えれば考えるほど、重い。
ところどころ挟まれる、彼が見る幻のようなカットもこの映画の面白い点だった。血を流して倒れる無数のラマ僧の真ん中に一人彼が立っているシーンはすごかった。金魚が泳ぐ水槽に赤い血のようなものが徐々に流れ渡っていくのとかも。
最後、無事インドの国境にたどり着いたとき、インド人の国境警察の「あなたのお名前は?」という問いに答えた言葉が最も印象に残っている。
興味ある人には進んで薦める、いい映画だった。
gdbsdta

gdbsdtaの感想・評価

3.3
子供でその立場になってたのがびっくり。
人として感心させられ、中国の怖さがみえた。 後半のダライ・ラマ14世の自分の事を語る部分が響いた。
同じくスコセッシ監督作、同じく宗教映画、そして同じく仏教とゆかりの深い国のはずなのにキリスト教といえばクリスマスパーティー程度、なのに『沈黙』と比べるとレビュー数が二桁も少ないこの素晴らしい伝記映画について書きたい。まずスコセッシ作品としてもこっちの方がずっと好きだしこれを撮ってくれたことに心から感謝する。それでも信じるという宗教的苦悩もロドリゴの背負った万倍の重さを実在のダライ・ラマはただ独り逃場もなく背負わされ、今なお実在しながらチャイナの暴虐も恨まず笑顔で世界平和のため奔走している。『沈黙』では日本側がどれだけ惜しみなく協力したかは容易に想像できるけど、彼の地でアメリカ人のスコセッシがどうやってこれ撮れたのか不思議なくらいこの映画は崇高な輝きを放っている。と思う。個人的にはいかなる宗教も持たないけど『沈黙』でも言われるように哲学としての仏教は現在でも生きる指針の一つとして植民地主義の手先に利用されたバテレンよりは有効だと思う。
みら

みらの感想・評価

4.9
ダライ・ラマ14世の誕生~…を描いた映画。
非暴力を訴えるダライ・ラマ14世と、チベットに対して中国がどのような対応で迫るか。
静かに描かれるも、随所でドキドキさせられる。

中国が完全に悪者扱いで救いがない描き方をされてる…のが少しだけ気がかり。
(ホントにそうなのかもしれないけどね。)

ダライ・ラマ14世生い立ちにはびっくりしました。そしてダライ・ラマ14世すごい。
最近見た映画の中ではかなり上位に位置します。
また見よう~。
だれもが彼をダライ・ラマ14世であることを確信していることと、若く純粋に仏教を信仰しているということが、彼を苦しめる。偉人の内面と美しい風景・文化。マーティン・スコセッシ監督はすごい。
ぽん

ぽんの感想・評価

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ダライラマ14世がチベットからインドに亡命するまでを描く。制作にあたって本人の助言有り。うーん、ワクワクするような面白さはないけど、観て損はない。名言多数。転生だからって生意気な子供が突然いい待遇うけたらダメ人間になりそうで途中心配してしまった。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.0
2008/2/3鑑賞(鑑賞メーターより転載)
内容からいって絶対チベットロケではないと思うが、重厚な空気感、濃淡のくっきりついた風景など雰囲気は凄く良く出ていた。肝心の展開が地味すぎてやや眠気を誘うのだが...
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