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男性飼育法のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

男性飼育法(1959年製作の映画)
3.9
淡島千景の魅力で引っ張るも、水谷八重子&小林桂樹チームが結構な怪演をみせる怪作

妻チームは、自分たちの言い分を夫に認めさせるために、セックスストライキに突入するというかなり異色のストーリー。

最近流行りの女性連帯・シスターフッドが満載であるし、人工受精の研究者まで登場。1950年代末期作品にしてはかなり攻めてる内容。女優に力があった日本ならではのストーリーでありながら、男性の態度を今風にややトーンダウンしたら結構アリな作品に感じたが、上映フィルムのコンディションはギリギリ。ちゃんと保存されてほしいなあ。

1番印象的な夫妻は1番若い(のかな?)水谷八重子&小林桂樹チームで、小林桂樹が人工受精の研究者。さらに、仕事熱心すぎて?夜までエネルギーが残らず、(個人的にはいやまさか女性じゃなくて..?な疑いもしてしまった)な夫妻。小林桂樹が豊田四郎作品いることが珍しい気がしてたものの、予想以上の怪演で偉大なるevery manアクター。

次に見どころが多いのは淡島千景。ギリシャ劇まで挿入されていて、宝塚出身ならではの存在感をみせる大活躍。旦那はもちろんいつもの森繁で、やっぱりボコボコにされつつ、一緒にいるんだけど女性をチラ見するクセは抜けないアウトーなやつ。

さらに淡路恵子&アチャコな濃厚エロス夫妻にも適度に笑わせてもらいました。

こんな大人向け艶噺コメディが作れる余裕が映画にあったのか〜という不思議な気分になる作品。
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