sayuriasama

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

3.6
変わりゆく世界の中で、儚くも光続ける惜別のネオン・ストーリー

シルヴィア・チャン懐かしいなあ~彼女の歌が好きでたまに聴くし、最近の香港も変わったしなあ、ということで、楽しみにはしていた作品。

ストーリーはネオン職人だった夫が亡くなった、毎日を生気なく生きる女性が、久々に夫の工房を訪れると「弟子」と名乗るある青年と出会い、「最後のネオン作品」を作ることに奔走するという流れ。

ネオンの光の美しさは、夜の闇があるからこそ。映画館映えする作品であり、夜景の持つ独特の色気も楽しめるのですが...
如何せん、「香港の変化」が間接的に描かれていて、なんとなく淋しい気持ちになりました。若い世代、古い世代の対比もいい感じではあったものの、惜別の思いにあふれていて、移りゆく世界の辛さがまさった作品でした。

bunkamuraルシネマは移転後初訪問でしたが、渋谷の喧騒から一転落ち着いた雰囲気で、上質な孤独感が優雅で気に入りました。
sayuriasama

sayuriasama