雷電

籠の中の乙女の雷電のレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.3
「哀れなるものたち」のヨルゴス・ランティモス監督の出世作と言われている本作。
「哀れなるものたち」を観賞後、監督の他作品への興味が非常に強くなったためこれから監督作品リレーをしていきたいと思う。

”犬“という生物とその性格、規範にフォーカスされていると感じる。
家という敷地に閉じ込められ、父母からのマインドコントロールを受けた兄妹の様はさながら犬のような扱い。犬にとっての愛情表現の一つに舐めるという行いがあるのにも繋がる。後半、玄関前で父親と脱走した姉以外の家族が四つん這いになって犬の鳴き声をしているところは「哀れなるものたち」のヤギに脳を入れ替えられた将軍のようで、このシュールな表現は昔からのものなんだなと何故か納得してしまった。
兄だけ性教育を受けていて、女性に対する処女性というものに、ある種の父親としての美学が存在しているのかと思っていたら、余裕で近親相姦させてて、単純に女性は男性にとって犬のような存在であり彼女らの気持ちというものは一切合切無視していいという支配的思想だったんだなと思った。父親に対しては上記に付随して、躾の一環でVHSを使って妹に体罰するし最悪のキャラクターに他ならない。
猫が惨たらしく殺害されて酷く嫌な気持ちになった。
ホラーとかなんでもそうだけれど、猫も犬も殺すのだけはやめろって何回も言ってる。
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