けんくり

籠の中の乙女のけんくりのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
4.0
やはり理由の説明されない不条理の中、
観客の価値観を揺さぶってくる問題作。

子どもを外の世界へ出さず、ずっと家の中に閉じ込めて、独自の教育を施す。子どもたちも生まれながらにしてその環境下なので、そのことに疑問を持つことはない。

まあ対ネコ訓練とかはあまりにも滑稽だけど、外界が危険に満ちているのは間違いないことだから、自分に子どもができたらと思うと、外に出すのはたしかに心配だよなぁ。

傍からみると明らかにに狂っているんだけど、それでも親の愛情は一応伝わってきて、これがこの家族なりの子どもの守り方なのかなーとも思う。

ただもちろん何が「幸せ」かを決めるのは子どもたち自身であって、次女のように守られることが幸せかもしれないし、長女のように世界へ羽ばたきたい子どももいる。

それを考える機会として「映画」が存在していたことが良かった。長女の世界が映画によって広がっていく過程が凄く好き。子どもができたら70〜80年代の偉大なアメリカ映画をたくさん見せよう。(ニューシネマは大きくなってから)