変身したり、戦ったりしないウルトラマンだった。
K-PAXという遠い惑星から来たと自称するプロート(ケヴィン・スペイシー)と彼に興味を惹かれる精神科医マーク(ジェフ・ブリッジズ)を中心にストーリーが進むのだけど、この「地球よりもかなり進んだ文明をもつ星からきた宇宙人?」という掴みどころのないキャラクターをケヴィン・スペイシーが見事に演じている。いい役者だったのになあ…。
話が進むにつれて、もうこいつ絶対本当に宇宙からきたんだな、というエピソード満載でこっちもそのつもりで観ているのに、途中からサスペンス展開になって、「え?地球人?」と翻弄されるのだけど、故郷K-PAXへ旅立つ直前にマークと話す場面で淡々と “Now you found Robert? Please take care of him.”と言い残すプロートに涙腺崩壊しながら、彼は地球人の体を借りた異星人だったのだ、と理解した。ロバートはハヤタ(またはモロボシダン)でK-PAXはM78星雲、みたいな話。
異星人プロートが「人間」を語るのが案外な皮肉になっているのがおもしろくて深いし、結局みんなhappyになってる終わり方もとても好きだし、エンドクレジット後の1シーンもいい。