Mariko

カード・カウンターのMarikoのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.3
ポール・シュレイダー入魂、いぶし銀のような重量級ノワール。ポーカー(ギャンブル)寄りのストーリーだと馴染めないかもな...なんて思っていたら、こんな復讐と贖罪の物語だったとは。

とにかく主演オスカー・アイザックの独擅場。彼は本当に変幻自在なんだけど、今作見るとやっぱりこういう微細な胸中がうっすら表情に滲み出る、みたいな繊細なキャラクターに物凄く向いてることを実感させられる。

抑えたトーンながらエッジの利いた映像がめちゃくちゃスタイリッシュなのに、問題のアブグレイブ刑務所のくだりになると気が狂ったような気持ち悪いぐるぐるした(撮影手法に詳しくないので突然アタマ悪そうな表現になってしまった💦)映像になったのが恐ろしく効果的だった。

地味なので万人向けではないかもしれないけどかなりの傑作。
あと、静かな緊張感が凄すぎて私は指先の温度が極限まで下がってヤバかったので、観るなら体調が良い時がオススメ。
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