「人生はどうしたってちょっと満たされないものだ」
フィッツジェラルドやヘミングウェイ、ピカソといった芸術家たちが活躍する1920年代。
この"黄金時代"に憧れを持つ主人公が、ひょんなことから1920年代のパリにタイムスリップするお話です。
序盤で描写される「憧れの芸術家たちに自分が書いた小説を読んでもらう夢のような経験に興奮を隠せない主人公」の姿を見ていると、こちらまでワクワクします。
過去の偉人と会えたら?という妄想を具現化できるのがタイムスリップもののみどころでもありますが、本作に関してはパリの芸術家好きにとってたまらない作品だと思います。
ストーリーを追っていく中で、人はないものねだりしてしまう生き物であり、どうしたって現状に満足できないんだな〜というのを痛感させられました。
過去の栄光は輝いて見えるし、今生きている現実の世界の価値なんて、見ようとしても中々見え辛いものなんですよね…
紆余曲折の末、「今」を生きることを選んだ主人公には関心しました。
ウディアレン作品は「おいしい生活」に続く2本目の鑑賞ですが、彼のユーモアセンスや作品の温度が肌に合うので心地いいです。他の作品も見てみたいと思います