ミラーズ

青春の蹉跌のミラーズのレビュー・感想・評価

青春の蹉跌(1974年製作の映画)
5.0
「日のあたる場所」に近くて違う場所

金持ちの娘と婚約した大学生のショーケンが、妊娠した恋人の桃井かおりを、故意?に殺してしまう。

結婚して学生最後のアメフトの試合中に刑事がやってくるラストと衝撃の事実と呆気ない終わり。

学生運動?に挫折した雰囲気のある気だるい感じのショーケンが、やはり魅力的。

妊娠した彼女役の桃井かおりも度々裸で絡む体当たりで、若い豊満な肢体を見せてくれる。

金持ち娘の壇ふみは、野暮ったいイメージがあったが、以外にも洗練されてた感じで、とても美しい。

最近の映画にはないラフなカット割りや神代監督の粘る演出を、望遠レンズなどで捉えてた街頭ロケやおそらくアドリブを交えた長回しなども、冴えて時代の雰囲気を醸し出していて良い。

決して清く明るい内容ではないのに爽やかな青春を奏でるようなメロディの曲がマッチしている。

アメリカ映画の名作「日のあたる場所」と同じ題材だか、日本映画特有の湿度やエグ味がいかにも。