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寒い国から帰ったスパイのbeachboss114のレビュー・感想・評価

寒い国から帰ったスパイ(1965年製作の映画)
4.0
スパイものには「アクション系」と「地味系」と「お色気系」と「アホ系」がありましてな。言い換えれば「ドンパチ」か「サスペンス」か「エロ」か「クルクルパー」。

高い所にぶらさがったりケツ蹴ったりケツ触ったりするヤツももちろん楽しいんだけど、サラリーマン生活が長くなると、どうしても地味系のヒリヒリした緊張感や不条理のやるせなさに惹かれるようになるんですわ。

「使い捨ての駒」という設定に過剰に反応し、自己投影してしまうタイプの人には特にオススメ。

名作の誉れ高い原作に縛られたせいで、状況説明をほぼセリフに頼らざるを得なかった点だけが残念だけど。

「真夜中のサーカス」の地味な面白さや深い味わいに何とかついていけた人なら、この作品も是非。若き日のジョージ・スマイリーが重要な脇役で登場するので(とは言っても、すでにそんなに若くはないけどね)。スマイリーつながりで言えば「死者にかかってきた電話」も。映画化されたものだけで繋げるなら、「死者~」「寒い国~」「真夜中~」の順。本来なら間に「鏡の国の戦争」も入るんだけど、映画版では出番ないからね。
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