半兵衛

誓いの休暇の半兵衛のネタバレレビュー・内容・結末

誓いの休暇(1959年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で主人公の少年が死んでいることをばらすのって凄い卑怯だと思う、帰還した少年兵が様々なトラブルに遭遇しながら母になんとか逢おうとする物語という時点で涙腺が刺激されるのに冒頭のネタバレによって主人公の何気ない所作や色々な人との交流に切なさとやりきれなさが感じられてますます目が潤む羽目に。ラストもどういう結末になるのか見えているのに、監督の巧みなじらしと演出、役者の熱演によってハラハラし泣かされることになるのも悔しい。

オープニングでの広大な農村とたたずむ主人公の母親を捉えたショットや、主人公が戦車から逃げる場面など大地を広く使ったカメラワークが効果的に使われエモさをもたらす。それがラストの母との再会に繋がるのも上手すぎてこ憎たらしい。あと行列や大多数の人間の使い方も上手く、駅でなだれ込む行列のなかを主人公が逆らうように向かっていく場面が映画的快感をもたらす。

宮崎駿監督がこの映画のファンだと聞いているためか、音楽がどこか宮崎作品っぽい曲調に聞こえる。

後半の空襲シーンの迫力も見所、あれは本当に機関車を破壊しているとしか思えない。

ちなみに私の近くに変なところで笑うお客さんがいて困惑したが、母との再会シーンでなぜか大笑いしたのにはびっくり。あまりにも映画の流れが「泣かせ」に行きすぎていたのに笑えたのか…でも映画に集中する別のお客さんの迷惑になっていることを理解して頂戴。…さすがに足を揺らしまくって地震を起こしていたのはキレたけど。
半兵衛

半兵衛