会社のお金を持ち逃げしたマリオン(ジャネット・リー)が車で恋人のもとへ向かう。警官や中古車店の店主に不審の目を向けられたり、運転中にさまざまな事が頭の中で思い巡らす。
J・リーは表情や目の動きが秀逸で微妙な心理状態を表していた。
序盤はサスペンスタッチに描かれている。
大雨でマリオンはモーテルに泊まることになった。そこはノーマン(アンソニー・パーキンス)という青年がひとりで切り盛りする小さな宿だった。そこから事件が起きる…。
モノクロの映像なので血の赤さをグロテスクに表現できないものの、マリオンの叫び声、シャワーで血が流れ続け、排水口のアップから死んだマリオンの眼へと変わっていくシーンは恐怖を覚える。
犯人は誰だ?ノーマンなのか、彼の母親なのか。
意外な展開に唖然とする。
鑑賞を終えてからなんとも言えない余韻を残した。
音楽はバーナード・ハーマン。緊張感と不安を募らせるストリングスの威力に圧倒された。
A・パーキンスはどこにでもいるような真面目な青年と"もうひとりの人間"を怪演。不幸な生い立ちが見え隠れする台詞回しが印象的。
人間が人間を殺めた事に同情は禁物だが、更正してほしい願いが心の片隅にあるのは正直なところである。
ヒッチコックが案内する「サイコ」の予告編🚿
https://youtu.be/DTJQfFQ40lI