ユースケ

レディ・イン・ザ・ウォーターのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なぜ、海の精の名前はストーリーなのか?
なぜ、映画評論家以外のアパートの住民はストーリーの存在を疑いもなく信じるのか?
なぜ、世界を平和にする方法を託した物語を書き上げる作家を演じるのはM・ナイト・シャマラン自身なのか?

それは、本作のテーマが物語を信じる事であり、M・ナイト・シャマランは物語の力が世界を平和にし、その物語を書き上げるのは自分自身だと本気で信じているからである。完全に電波系です。

【ヴィレッジ】の大コケも、本作の製作も許してくれた優しいブエナビスタ(現在のウォルト・ディズニー・スタジオ)を切り捨て、ワーナー・ブラザーズによって製作され、案の定大コケした本作。
公開当時はクソ映画だと思っていましたが、監督の作品の売りである衝撃のラストを捨てたド直球なシナリオから監督の狂気を感じる事ができる今では感動の一本。
自分の作品を批判する映画評論家を悪役に仕立て上げ、犬に食わせて殺すなんてまともな人間のやる事ではありません。

舞台となるコーブ・アパートのコーブの意味は入り江だという事は調べておきましたので、右半身だけを鍛える男(フレディ・ロドリゲス)の事は自分で調べて下さい。