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UFO少年アブドラジャンの継のレビュー・感想・評価

UFO少年アブドラジャン(1992年製作の映画)
4.0
“親愛なるスティーブンさん、ビデオ観賞会であなたの『E.T.』を観ました。例の空飛ぶお皿は私の村へ本当に飛んできました。こっちのはナベですが本物です…”
(生協43号店 守衛のスピルバーグへ宛てた手紙)

コルホーズ(集団農場)の集会で、議長がモスクワ国防省から届いた電報を読み上げます。
“未確認飛行物体がそちらの地区へ接近中…”

平行に張られた2本の糸に吊るされて、
画面を横切るUF.... いや、はっきり映る、お鍋だ!(T∀T)/
倒れるアブドラジャンを発見した第1村人バザルバイ。
彼に明らかにパチもんのBEATLESのTシャツ着せて面倒みることに。。。

旧ソビエト時代のウズベキスタンで撮影された本作は、
'91年のソビエト崩壊後に独立を果たした同国内で初公開された、手作り感満載の牧歌的ハートウォーミングSFコメディ。
トボけた笑いでほっこりさせる、ほのぼのと愛着が湧く良作です。

バザルバイを通じて村の厳しい暮らしぶりを目の当たりにするアブドラジャンは、村民を助けようと数々の奇跡を起こしますが、これが全てシュールでチープな小ネタギャグ。

バザルバイからお金が足りないと聞けば、釜戸で大量の紙幣を炊き出し、

電気修理屋はビデオデッキの製造を始めてキロ3㌦で量り売り(笑)。コレ伝えるTVニュースでゲイシャ社のタナカさんとトカナワさん(名前f(^_^;)は破産寸前だとインタビュアーに泣きつき、

最終的に村民たちは、クワにまたがってそこら中 飛び回ります(T∀T)

アブドラジャンと少女の初恋シーンも5秒くらいやっつけで観せて

星へ帰るのに必要なポータブルCDプレーヤー... もとい、通信装置を、迷った挙げ句そっと隠すバザルバイ。。なんてシーンも折り込みつつ、

“夕べは、タルコフスキーさんの『ストーカー』を観ました” って手紙ナレーションで意味ありげに水面を映したりするんだけどそこに深い意味は無くて(T∀T)。

そんな中、とうとうモスクワが動き出します。
戦闘機、戦車、装甲車…
アブドラジャンの身を案じた母親は夕暮れの高原にCDプレーヤーでお鍋を呼び寄せ..... 。


“いかがでした? スティーブンさん …”
アッサラーム (o^-')b ! (皆に平和あれ!)。
継