竜平

トータル・リコールの竜平のレビュー・感想・評価

トータル・リコール(1990年製作の映画)
4.0
火星が植民地となっている近未来。まだ行ったこともないその火星の夢になぜか毎晩うなされている男が、記憶を売る「リコール社」に出向くのをキッカケに壮絶な争いへと足を踏み入れてしまう、という話。

フィリップ・K・ディックが原作であることを今更ながら知る。この人の作品は設定が毎度おもしろいよねーなんて。奇抜で奇妙な未来の図と、そこに絡むのが本物なのか偽物なのかってな「記憶」にまつわるストーリー。久しぶりに見て思い出すけど、じつは自身のアイデンティティーと向き合うような内容にもなってるあたりなんとも素敵だなと。更には二転三転していく展開にアクション、未だ色褪せない良作SF、と言えるんじゃないかなどうかな。で、なんと言っても楽しいのがビジュアル面。科学技術の描写だったり独創的な世界観だったり、また脳裏に焼き付くようなシーンというのも盛り沢山。おばさんの中からシュワちゃん登場のあのシーンは初めて見た時インパクトあったなぁなんて。あとおっぱい3つの女性とかね。てかそもそも冒頭からなかなか衝撃的、幼い頃に見て若干トラウマになった記憶。まぁ人形感が漂ってしまうのは時代的にも仕方ないことなんだけど、それがある種の気色わるさにも繋がってたりするからまたおもしろい。何気にバイオレンス多めという、これは『ロボコップ』などにもあるような、監督ポール・ヴァーホーヴェンの節と言える気がする。

ラストは今見るとなかなかのトンデモ展開、ではあるものの、まぁこれは我らがシュワルツェネッガー奮闘映画として楽しめるところ。総じて、結構推してる一本。空気がないってやっぱり怖いけど、なんやかんや火星ってロマンに満ちてるんだよねー。おしまい。
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