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チャイニーズ・ブッキーを殺した男のmajiziのレビュー・感想・評価

3.5
ジョン・カサヴェテス監督作品。

あらすじは
ストリップ・クラブのオーナー、コズモは長年の借金をやっと払い終えたのに、賭博でマフィアに借金を背負わされ、暗黒街のボス・“チャイニーズ・ブッキー"の暗殺を引き受けさるを得なくなる・・・。

もうコズモさん、何やってんですかって物語です。

監督はこの自滅していくコズモに、インディペンデント映画を製作する自分の苦悩や悲哀を重ねていたとか。

完全に自業自得のコズモなのですが、お店の女の子たちを大事にしたり、暗殺に行く途中に、お店に電話をかけて今やっている出し物や選曲を聞いてそれじゃダメって指示するなど、愛情や誇りを感じられます。

だからこそ、この引き返せなくなるコズモの状況に緊張感もあるのですが
ストリップ・クラブといっても、出てくる芸人も女の子たちもいかにも場末の酒場って感じでちょっと間が抜けています。

おっぱいも出ますが、そこまでエロくありません。

そのあたりのアンバランスと陰影の画面、行き詰まって行く夜の駆け引きの展開に、コズモの痛々しさが大きくなります。

かっこいい人間ではないのに、嫌いになれない男の姿。渋いです。
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