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ダンサー・イン・ザ・ダークのokapiのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

鬱映画という情報が強すぎて観るのに時間がかかりすぎてしまった。想像以上に良かった。何回も観たい好きな作品と、一度だけでいいもうむしろ観たくない好きな作品でいうなら完璧に後者だけど。

途中までは想定内くらいの憂鬱さだったけど最後でがっつり後味悪くなった、、でも個人的にはあれくらいショッキングでないとと感じる良いラストだった。ある意味美しい。最後カメラの引きで終わるのもよかった。

女看守が最後絞首台まで行く際にカウントしてくれるシーンは、今までの設定を生かしていて自然であるとともに、狂ってもいて何とも言えない感覚になる好きなシーンになった。

ミュージカル映画は基本的にあんまり好きではないけれど、この映画にいたってはそれも覆されるほど魅力的すぎた、、空想と狂気と無邪気さみたいなものをはらんでいて、これはビョーク以外考えられない役だと思う。

悪とは何か?正義とは何か?についてニュースを観るたびに思うことがよくあって、それは当事者にしか分からないということと、誰かの言葉を借りるけど、例えば殺人は殺人という行為自体のみ取り上げれば悪ではあるし法を犯しているが、加害者の中に存在する確固たる正義を持ってした殺人は、それは本当に悪なのか?
万引きだとかいじめだとか、正義の存在しないそういった悪の方がよっぽどタチが悪いというか、悪だといえるものなのではないか。という言葉をどこかで見てから確かにそうかもと感じることがあり、セルマの側から見れば理解されないであろう強すぎる信念や正義みたいなものは否定できないし、それが原因で辛い運命になっていくのも(ちょっとどん底すぎるが)仕方ないのかもしれないと思う。あの男はクソすぎるけど。

愛みたいなものも、この個人的な信念や正義には凄い関わってくると思うし、セルマに少しでも共感してしまうとこがあるからこの作品が楽しめたのもあるかもしれない。
そしてセルマの1番強い気持ちの部分にグッときてしまった。母って本当特殊な存在、、
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