せんきち

行きずりの街のせんきちのレビュー・感想・評価

行きずりの街(2010年製作の映画)
3.0
セントラルアーツ製作、阪本順治監督。低予算ながら面白い。佳作。


丹波篠山で塾講師を営む波多野(仲村トオル)は失踪した教え子を追って東京へ向う。そこで12年前に別れた妻(小西真奈美)と再会する。失踪した教え子は自分が退職した学園の陰謀に巻き込まれていた。別れた妻との愛憎、学園を追われた過去、12年前の過去の精算が波多野に迫っていた。

陰謀と書いたが、規模は非常に小さく地味。何とセントラルアーツ製作なのに銃が出ない!本作の実質上のクライマックスは中盤の仲村トオルと小西真奈美の口論シーンだ。12年前の事をずーーーっと引きずっている仲村トオルと12年間懸命に生きてきた小西真奈美。再会に一時は喜ぶ2人も次第に険悪な雰囲気に。別れた事をひたすら「自分が悪かった」と謝る仲村トオル。仲村トオルの自分が謝る事で自己保身を図る姿に激怒する小西真奈美。何故、あの時に本音を言わなかったのかと詰問する小西真奈美。針のむしろの仲村トオル。この見ていて非常に緊迫するシーン!「レボリューショナリー・ロード」かと思った。この口論の後、二人は濡れ場→よりを戻すのだが、どう考えてもこの状態からSEXはできないだろう!そこを何とかしてしまう阪本順治の豪腕演出!にしても昼はルームデザイナーで夜はバーのママさんをやってる小西真奈美の設定はどうかと。寝る暇ないでしょw



セントラルアーツ作品では珍しく主人公が本当に一般人なので、特殊技能で窮地を脱するなんて展開はない。そのため、裏切った窪塚洋介が菅田俊と対決するのだが、いくらボクシングをやってたという設定でも窪塚洋介VS菅田俊は無理があり過ぎる。体格が1.5倍は違うような...窪塚洋介が銃を持ってようやく対等なんじゃないの?「カメレオン」でも藤原竜也VS菅田俊があったけど、あれも無理あったなあ...

仲村トオルが窮地を脱するために自分の記憶を頼りに監禁先から武器を探し出すシーンはなかなか燃える。この武器で倒すのが雑魚だけってのも節度のあるリアル。
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