みちろう

赤ちゃん泥棒のみちろうのレビュー・感想・評価

赤ちゃん泥棒(1987年製作の映画)
4.4
コーエン兄弟2作目

強盗の常習犯エイチアイ(ニコラスケイジ)が刑務所で出会った看守エド(ホリーハンター)と結婚し、不妊症に悩んだ末に別の家から赤ちゃんを盗んで来るがそこに脱獄してきた2人組の囚人と賞金稼ぎが赤ちゃんを奪いに来る。

1作目のブラッドシンプルはシリアス路線のサスペンスだったけどこれは真逆のライトでコメディな仕上がり。特にブラックジョークとか捻った展開は無く起承転結がはっきりした作りなのが意外。でも誘拐、強盗といった犯罪を軽々しく描いてた点やクレイジーな登場人物のぶっ飛んだ行動にはコーエン兄弟らしさを感じる。

ニコラスケイジ、ホリーハンター、フランシスマクドーマンド、ジョングッドマンといった今となっては豪華なキャストの個性的な役柄が面白い。マッドマックスをホームレスにしたような賞金稼ぎ(超強い)との一幕や強盗をしたエイチアイを店員、警察、野良犬が一斉に追いかけるチェイスシーンなど映画が進むにつれてとにかくわちゃわちゃしてきて後半はずっと楽しかった。

コーエン兄弟作の中でも娯楽映画って感じが1番強くて以降の作品と比べると観やすい。若手時代にサム・ライミ監督と交流があったからかあの「死霊のはらわた」の迫り来るカメラワークがちょくちょく使われてたのにちょっぴり感動。
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