みちろう

灼熱の魂のみちろうのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.3
ドゥニ初期作
母の遺書を元にその人生を辿る姉と弟。浮かび上がる過去と戦争。

期待を裏切らない面白い映画をポンポン作るドゥニ安定のクオリティ。ドンパチが思ってたよりも少なめなのにずっと引き込まれて最後にはビッグサプライズも用意してあるという普通に観やすくて面白いライト?な作品。

その中に宗教対立で起こった紛争やそれに巻き込まれた市民と子供たち、粗末に扱われる命、憎しみの連鎖など重いテーマがのしかかってハラハラドキドキしている裏で常に物悲しい気持ちが湧いてくる。

アラビア語を話す母とフランス語を話す子供、キリスト派閥とイスラム派閥、捕虜と拷問人…何かと正反対で対峙してるようなものがいくつかあって劇中の1+1=1っていうフレーズの通りなのか知らないけどそれらは突き詰めてくと同一な存在になりうる表裏一体の関係性にあるってことが何となく伝わってきた。なんだか儚くてもどかしいけど色んな対立も平和っていう1に導けそうなちょっと希望も感じた。

個人的にカナダのハリウッド映画ぽい雰囲気がありながらフランス語圏が舞台っていう異質な感じが好き。

ある重要人物がたまたま主人公の近所の市民プールに現れるシーンはなんか変だったけど、戦争やその被害、親子の関係性について考えさせられる面白い映画だった。どんでん返し以外にも見どころがたくさん。

レディオヘッドが久々に聴きたくなる。you and whose army ってどんな歌詞なんだろ

MF/パレスチナ?/紛争地/イスラム教vsキリスト教/母は強し?カナダ/プール/フランス語とアラビア語/バス虐殺/1+1=1/you and whose army
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