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善魔のmisqのレビュー・感想・評価

善魔(1951年製作の映画)
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おいおいと泣いた、もうちょっとだったのに。


最初のスタッフロールで三國連太郎の名前の横に「入社第一回出演作品」って書いてあったけどこんなに堂々と「今回の主演は!期待の新人で〜〜す!!」ってわかるように書くことあるんだ、それとも入社初年度で大役をやるような人全員に書いてたんですかね…?


それはともかく肝心の三國連太郎がすごくかっこよかったのが良かったです!
ひたむきでアツい、なんか生命力が満ち満ちてる感じがします。
特に最初に名前を呼ばれて振り向いたシーンがすごく良くて、ゴッドファーザーのときのアル・パチーノみたいではっとしました。
その時は「顔は似てないのにな」と思ったけど改めてよく観てみたら顔自体も結構似ているかも。遠くをみつめているようなまっすぐな瞳が似ていて、印象的ですね。


伊都子と三香子の正反対の美人姉妹っぷりもいい…白百合のような淡島千景と桜のように可憐な桂木洋子…ていうか連太郎と三香子の仲睦まじさが!初々しくなんと愛らしい…
だからこそ余計にラストは哀しいよ〜〜間に合ってあげて欲しかったです😭ウワン


あとまあこれは淡島千景の所作だから様になることですが、私も良い感じだった男に実は他の男と結婚することを打ち明けて「ご参考までに」で締めくくってみたいですよ。


「善を成すために、悪の心を必要とするという矛盾する人間の心情を哲学的に描」いていたかどうかは一回観ただけじゃよくわからなかったんですけど、わたしは白痴の森雅之が大好きなので、「白痴であんなに純粋な瞳を見せてくれた森雅之がこんな清濁併せもつおまけに愛人に対してなんかちょっと酷い大人の役柄を…」と、俳優さんってすごいなあ!と思いました(⇦偏差値が2すぎる)

すごく良い映画だったのでまた観たいです。
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