このレビューはネタバレを含みます
私も父親が一瞬再婚してたのでよくわかるのだが、母親と死に別れたあとすぐ父親が母親そっくりの女と再婚してすでに子どもまでできてんのキツすぎるよな。気持ちめっちゃわかるよ。
あと母親の死をきちんと看取れなかったの、本当に眞人の心に傷を残したと思う。
だから眞人は「母親が実は生きている、だって自分は遺体を見ていないから。そしたら母親の妹なんかをお母さんと呼ばなくて済む」という、嘘という名の希望を乗り越えなきゃいけなかったんですよね。
そして現実と折り合いをつけなきゃいけなかった。
なぜなら父親も（このオッサンはいささか猪突猛進に過ぎると思うが）夏子も周りの冗談みたいにデフォルメされてるおばあちゃんたちもみんな眞人に優しく、彼を慈しんでいることが眞人にもちゃんとわかっていたからです。
あと、眞人の心の中でお母さんは眞人に「助けて」というけど、眞人はお母さんの死に目には会えてないのでこれはお母さんを助けられなかった自分に向けて自分で刺してる言葉なんですよね。
だからこそこれから自分の母親となるべき夏子を助けに行った、彼は夏子を救うことで自分を救ってあげているんですね。
というわりとよくある物語を、
こんなに美しい画で織ってくれた、ありがとう、という感じでした。
お家芸のへなちょこ生き物たちもほんとうにおかしくて愛らしい。
綺麗で良い映画だったねえ…。
