ガブXスカイウォーカー

コピーキャットのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

コピーキャット(1995年製作の映画)
3.8
犯罪心理学者ヘレン(シガニー・ウィバー)は冒頭から、トイレでウンコしようとしたところを殺人犯ダリルに吊るし首にされる醜態を晒す。つかみはOKだ。以降、ヘレンはトラウマから屋外恐怖症となり、パニック障害を起こしたり、ダリルの模倣犯ピーターのストーキングにビビりまくる。シガニー・ウィーバーは当時46歳だが、終始ひどい目にあってハラハラドキドキさせてくれるヒロインなのだ(クライマックスのヘレン対ピーターはリプリー対エイリアンにちょっとだけ重なる?)。
これが普通のミステリーやサイコサスペンスならば、共同捜査する女刑事モナハン(ハリー・ハンター)は男性でヘレンとの恋愛もあるのだろうが、そんなものは一切ない。彼女を愛し、追いかけてくるのは犯罪者たちだけだ。しかも、模倣犯のピーターは殺しても、刑務所内のダリルはいまだヘレンをあきらめていないところで終わり、観客たちの胸中に暗くて重い物を残す。『コピーキャット』は強い女性の象徴ともいえるシガニー・ウィーバーを弱者に設定し窮地に立たせることにより、犯罪者たちの深い心の闇を描いた秀作と言えよう。