【一歩一歩】
着実に
さて、そろそろ仕掛け始めますよ?
みんな、『恋は光』って覚えてるぅ?
まずは、ワイのレビューを読んでね!
続きは、また明日!
さて、作品について。
邦題「ピンポン」
原題「PINGPONG」
2002/8/5@シネマ・クレール丸の内 ~2002/10/18
評価 ★4
ひとこと 原作読まずに観てくださいよ~
<コメント>
今回は、2段構成。まずは、未見の方へ。
恐るべしは、松本大洋。この作品のほか、「青い春」も映画化されているのだが、その独自の世界観は圧倒的な力をもって我々をねじふせる。
今回の作品を成功させたのは、間違いなく若手俳優陣である。ペコを演じる窪塚洋介は、若干セリフ回し等が固定化しつつあり不安を隠せないのだが、ARATA@スマイル、大倉考二@アクマ、中村獅童@カザマ、サム・リー@孔、が実にすごい!まさに熱演。
彼らは松本大洋に対して深い敬意を表しており、その映画に自分が参加できることに対して全身全霊の役作りをもって応えている。それには、ある意味、原作をしのぐほどの勢いを感じる。まあ、これは総じてメディアもベタホメしているところである。
映像に関しても、あっぱれアツイ卓球バトルを表現したところはさすが「タイタニック」経験者の曽利文彦である。
音楽のポップさ加減は、もう少しがんばってほしかったが。
さて、次は個人的な見解。映画を観て、ついでに原作を読んでからお読みいただきたい。
正直、この作品、原作を読んだ者または原作者である松本大洋の愛好者であれば、おおかたの者が物足りなさを覚えるであろう。
それは何故か、この作品に関わっているもの全員が松本大洋(の才能)に敬意を表しているからである。故に、野心的な試みが少ない。手堅く手堅く、原作を忠実に再現することを第一義としている。故に、この作品が面白いのはほとんど松本大洋の力である。
今回、曽利監督は監督というより撮影&特技監督であり、宮藤官九郎は脚本家としては平凡であり、その売りである「池袋ウエストゲートパーク」で見せた独自色が感じられない。竹中直人は、すでに確立しきったイメージに付け焼き刃のように原作のセリフ回しをかぶせる。夏木マリも同様である。若手俳優は、これを自分への課題として奮闘し、経験不足なクリエイターは萎縮して冒険をせず、ベテラン俳優は怪演こそが己の存在意義と勘違いする。
わたしが今回、「4」をつけたのは、若手俳優陣に対する賞賛と期待、そして松本大洋への敬意にであり、これは充分未体験の方にはお薦めすべきものであると判断したためである。