このレビューはネタバレを含みます
故郷にも目的地にも行くことができなくなった男が、残された空港という居場所でできた家族の協力を得て、目的を達成する話
最初からすべて失っているのに、途中でまた全てを失くすシーンが来て、びっくり、こんなことできるんだ
置かれた場所で咲きなさい、住めば都、の海外バージョン。
空港マジで生活できるらしいので、あながち非現実的な話でもない
空港という閉じた空間において、
保安局長と法、という二段階の敵を作ること、またそのふたつにも納得し得るという設定、すごい
CA小悪魔で恋は実らないが、それがこの映画をあくまでロードムービーとして見せている大きな要素ってことかな
ラストさすがに人だかりできてたのは笑ったけど、あれだけ多くの人が空港で毎日働いて、彼を見ていたということなんだよな
彼の動向を見守る人々の動機がみんな異なるのに、どれもシンプルでわかりやすいのがいい。
自分の恋を叶えるために利用したい、最初は疑っていたところからひっくり返ったからその分信頼が大きい、仕事ができるから使いたい、毎日見ているうちに同情心が湧いてきた(見る側が自然と上の立場になっていることで湧く好感…ペット的な?)等々……
家族というよりはみんなが保護者になってしまった感じが楽しかった
ずっと工夫して生活しているのを見ていると、理由はなくとも何とか上手くいってほしいと思ってしまう人間の性と、
それに反する規律を重んじる価値観が真っ向から対立していたことで常に少しハラハラ感がある気がした
彼が国に帰ってからどう過ごすのか少し気になって考えてしまうほどには見入ってたな