賽の河原

ターミナルの賽の河原のレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
2.8
古今東西、境界というのは非常に物語の生まれやすいものなんだけど現代の境界っつったらやっぱり国境だし、ゲートの手前のグレーゾーンの話はエンターテイメントの生まれる火種がたくさんあるねという。
母国で軍事クーデターが起こり、アメリカに到着しているのに入国できず空港に閉じ込められた男の話。
好きなシーンはたくさんあって、ナボルスキーがお金を稼ぐため手段とかをはじめとしてサバイブしていく姿は見ていて非常に気持ちいい。娯楽として非常によくできた映画ですね。空港の人間が意地悪すぎとか土方でも働けねーだろとか、空港の施設勝手に工事すんなとかリアリティラインの問題はあるけれどまあそれはそれでいいんじゃないんですか。
それにしてもスピルバーグ、女を描くの下手すぎやしないか、という。
入国審査の黒人女性と赤いツナギの兄ちゃんの結婚とかもう少し描けよってのもあるし、主人公ナボルスキーとアメリアのお話の筋もさあ...。女性との関係よりも家族の絆に着地したと言えばまあいいとは思うんだが、なんかそれでいいのか...という。
細かいこと言うとナボルスキーさん、母国で軍事クーデターが起こって内戦状態になったシーンには「ああ...」みたいなこと言って涙するだけど、いざ内戦が終わって「新しい国旗が掲げられました」ってシーンには暢気に「戦争が終わった」っつってビール飲んでるんだけど、新しい国旗ってことは新体制を意味するし、お前の母国スゲー変化してるかもしれないし母国に残してきてる人とかどうなってるか分かんねーんだけど、いくらなんでもお気楽すぎやろ。
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