ブタブタ

エクスタミネーターのブタブタのレビュー・感想・評価

エクスタミネーター(1980年製作の映画)
5.0
懐かしのゴールデン✨洋画劇場案件。
80~90年頃、ゴールデン洋画劇場で放送する洋画は現在のタレント吹き替えの先駆けとも言える。
番宣タレントやその時売れてた芸人等による素人吹き替えが横行していた。
『マッドマックス2』放送時はその当時公開の邦画『チンピラ』の主役二人、柴田恭兵とジョニー大倉がマックスとジャイロキャプテンの吹き替えをしたり、そんな感じで「声優初挑戦!」の素人声優吹き替えによる酷い芝居の洋画を見させられるのもしばしば。
伝説的カルト・バイオレンス映画『エクスターミネーター』もそんな感じで主役のギンティの吹き替えは何故か元野球選手で野球解説者の江本孟紀。
このキャスティングは未だ理由が分からない。
しかし、この江本孟紀による吹き替えは棒読みかつ淡々と無感情で明らかに紙に書いてる事を詩でも朗読してるかの如く読んでるだけの、まるで機械の自動音声の様で中身がカラッポで虚無の化身の様な主人公の「声」として最高にマッチしてる。
『アメリカン・サイコ』のクリスチャン・ベール演じる主人公は「ちゃんと芝居してる」せいで原作小説の主人公が持つ底なしの虚無やカラッポの無間地獄の様な世界を映画で描くには至らなかった。
それに比べると『エクスターミネーター』がこれ程皆に愛されカルト作品として評価を受けるのは『狼よさらば』に代表されるヴィジランテ物の中でも突出して主人公の無個性さや、そこにあるべき正義の薄っぺらさ、ひたすら悪党成敗に万進する主人公の機械の様な冷徹さと必要以上の残虐な処刑方法等など、ヴィジランテ物の中でも孤高の、異様な作品としての地位を確立している。
有名な当時CMでもやってた「人間挽き肉」はミンチがグニョ~ンと出てくるシーン、アレはまず脅す為の見本として牛肉を使って見せた物なので人間の肉ではない。
ゴールデン洋画劇場では当時と言えど流石に放送出来なかったのか挽肉機に落とされるシルエットでCMになり大量の人間挽肉がグニョ~ンと出てくる所はカットされていた。
でも「首切り」「丸焼き」等など残虐処刑のオンパレードでゲーム『モータルコンバット』の残虐描写にも影響与えてるとか。
「衛宮士郎的な正義感」とのレビューを見ましたが主人公の魅力の無さと行き過ぎた正義感、そしてそれに強さの実力が見合わない点等、言い得て妙です。
ボンクラ映画の極北のひとつとしてこれからもボンクラに愛され続ける映画。
『2』は見る必要なし。
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