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イントゥ・ザ・ワイルドのピポサルのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
4.7
どこか遠くに行きたいと常々思っている自分でも、覚悟を決めて、むしろそれが必然であるかのごとく身一つで飛び出し旅に出る人はどこか狂人かのように思えてしまう。自らの哲学を持ち、他者が差し伸べる優しさも目的のために拒む。主人公クリスはまさにそういう人で、バイタリティすごいなと思いつつ生活環境に問題があったとはいえちょっと理解できない人間性もあった。しかし、アラスカの大自然から街に戻ろうとしたところ川が雪解け水で増水し戻れない。そこでようやく彼を我々側の人間として見れるようになる。そして最後、本当の幸せとは何かを悟る。恍惚とした表情で流す涙は幸せを感じる反面、確実に後悔をしている。誰かと共感することで本当の幸福は生まれると気付いてももう遅い。わずかな力を振り絞ってクリスが残したメモは協調性がマイナスを振り切っている自分にとって殴られたような衝撃があった。
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