ダウンセット

儀式のダウンセットのレビュー・感想・評価

儀式(1971年製作の映画)
4.5
桜田一族の壮絶な物語。
主人公の満州男が語る血塗られた物語は壮絶。埋められた弟。父の自死。従兄弟たちが辿る運命。ハイライトとも言える結婚式からの初夜と同時に行われる通夜。
一人咽び泣く祖父の後ろ姿はある意味、戦後という基礎を失ってしまった家族の一つの総括として描かれる。
ギリシャ悲劇やリア王みたいな古典をそのまま描写してる感もなくは無いけれども、日本人独特の死生観や家族という価値観が剥き出しになっていて、嗚呼、これは刺さる人には刺さってしまう作品だなぁと。
僕は見事に刺さったクチです。
この作品を僕の祖父と父に捧げたい。