たむ

ある結婚の風景のたむのレビュー・感想・評価

ある結婚の風景(1974年製作の映画)
4.2
映画史の名作なのに長すぎて敬遠していた超長編映画に挑戦その1。
ベルイマン監督の夫婦喧嘩をほぼ対話のみで描く5時間。
アメリカ3大夫婦の危機映画『アイズ・ワイド・シャット』『ビフォア・ミッドナイト』『マリッジストーリー』にも多大な影響を与えているであろう作品です。
最初と最後のチャプター以外はほぼ二人の密室劇。
ベルイマン監督らしく、ここまで言うか、という冷徹かつ残酷な言葉のやり取りが展開します。
怒りを冷静に語ることもあれば、ヒステリックにぶつけ合う事もあり、夫婦喧嘩・対話のバリエーションがここまで多く描くことが出来るのか、と圧倒されながら、ここまで感情を暴露し合えるのなら、ある意味で幸福なのではないかと思えてきます。
多くのベルイマン映画がそうであるように、人間を見つめる視点は恐ろしいほど悲観的です。
二人のたどり着く結末も衝撃です。
人間の心理、感情を深く深く掘り下げる作品です。
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