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素晴らしき哉、人生!のmtのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2023年1本目に相応しい映画だった。

以前、言葉選びが秀逸で憧れている人に「クリスマスに観たい映画は何ですか」と聞いたら、「素晴らしき哉、人生 一択。」と言っていてずっと観てみたかった。

クリスマスには観れなかったが、2023年の映画初めとして今作を選んだ。

あらすじは前半ではジョージ・ベイリーという優秀な男が世界旅行を夢見るも、父の住宅金融の会社を継ぎ小さな町で奮闘する半生が描かれる。そして彼がクリスマスイブに大きな負債を突如抱える事になり自殺しようとした時彼の元に守護天使が現れ「もし、彼がこの世に存在しなかったら」のパラレルワールドに飛ばされる話だ。

ジョージが存在しない世の中は、クラブやバーで溢れる治安の悪い街と化しており、幼い頃に劇薬の誤送を防いだ薬局店主の没落や、助けたはずの弟の死など一変していた。
住宅金融で家を建てたはずの人々も貸家住まいで妻と子どもに逃げられ、見る影もない。
自宅があった地は空き家のままで存在していた幸せな家庭はそこにはなかった。

2級天使、守護天使のクラレンスが「一人の人生はその他大勢の人生に影響を与える。一人いないだけで世界は一変する。」というセリフがあるがそこに全てが詰まっているように感じた。

元の世界に戻ったジョージは刑務所に入ることを覚悟するが、今までの人生で助けてきた人々による寄付が山ほど集まり事なきを得る。
誰一人必要のない人などいないと映画が語りかけてくれるような作品だった。

もし自分がこの世に存在していなかったら?
人々に、私は特に今教員としてかかわっている子どもたちに良い影響を与えられているだろうか。と内省するなど。


落ち込んだ時に見返したいと思う作品でした。

「君は実に素晴らしい人生を送った。捨てるのは間違いだと思わんか?」

「ベルが鳴っている。天使が翼をもらった合図よ ! 」
mt

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