らんらん

二人で歩いた幾春秋のらんらんのレビュー・感想・評価

二人で歩いた幾春秋(1962年製作の映画)
3.5
道路工夫の夫(佐田啓二)と役所の小間使いの妻(高峰秀子)は貧しいながらも一人息子を育てていく
そして息子は成長し京都の大学へと進むことになる
より生活を切り詰め息子のために頑張る両親、そんな両親のためにもがんばる息子であったが、、、

タイトルからして似てるけど「喜びも悲しみも幾歳月」と似てる、劇中幾度となく歌謡曲が流れるのも同じ
特徴的なのは佐田啓二のナレーションで度々ポエムみたいなのが挿入される点
感想としても同じような感じで特に面白いとかじゃないけど、しみじみなんか良いなぁーって映画

印象的なシーンは
両親の仕送り、自身のバイトをしても生活が苦しく勉強どころではない息子が大学を諦めかけちゃうんだけど、それに応える高峰秀子の優しさに感動
で、家に連れ帰ってみると佐田啓二は大学を続けろって言うの
息子の心はもう折れていて、高峰秀子もこの子はもう頑張った、苦しんだのよって諭すんだけど
頭を下げてお願いしてまで続けさせようとする、苦しい生活をさらに切り詰めて援助するって言って
この辺のやりとりが良かった!ここでの頑張りがあってラストのハッピーエンドにつながるんですよね

あとは、高峰秀子の役名が「とらえ」って名前なんだけど、それに関するエピソードがなんか面白い
嫌がると思って今まで名前を呼ばなかったとか言う変な気遣いも笑えるし
それに対してこの歳になってトラだってクマだっていいですよ、呼んだらいいじゃないですかってむくれる高峰秀子の反応も良い
夫婦喧嘩で口論するとこんなやりとりが繰り広げられる、そして佐田啓二のほうが家を飛び出すの、雨が降りしきる中息子がプレゼントしてくれた傘を持って出たんだけど、すぐ戻ってきて気が咎めるからって傘だけ置いて出ていくシーンも良かった
これからはとらえって呼ぶ、とらえだよお前はとらのような女だなんて言ったりするけど、なんだかんだ仲がいい2人なんですよね

確かに女性でとらが入ってる名前なんていやだったろうなぁ、こんな何気ないエピソードもうまく使っていて印象的
らんらん

らんらん