ねむ

野良犬のねむのレビュー・感想・評価

野良犬(1949年製作の映画)
3.8
猫より犬派なので観ました…
(猫や他の動物も哺乳類を中心に好きだけどやはり犬

春以外の季節に、それぞれ独特の静けさをいつも感じる。
その中でも特に夏は、蝉の声や草いきれ、滴る汗や照りつける日差しが喧騒のように感じられるのに頭の芯はキーンと静寂の音しかしない、そんな印象がある。

この映画もギラギラに暑い季節。
若い刑事とベテラン刑事はセブンを思い出す。
その身にふりかかる災難や困難を別の力に変えていく者とそう出来ない者の分かれ目ってなんだろうかな。
青いトマトが熟す頃 悲しいことが起きるなんて、誰が知りようもない。
欲しがったドレスの裾。
緊張の糸が限界まで張りつめているときにかき分ける花の無造作な美しさ、他人事のような静けさ。
こういうのって黒澤映画独特?
日本映画のお約束?
よく知らないけど、夏にしか訪れない騒がしさの真ん中で冷めた無口を沢山感じました。




追記
台詞の日本語がと…っても面白い!
この時代に『人権蹂躙』って会話で使うもんなのか!?
ねむ

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