悪魔の毒々クチビル

エイリアンVS. プレデターの悪魔の毒々クチビルのネタバレレビュー・内容・結末

エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

これ、初めて観たときはギリギリ小学生だったと思うんだけど、当時は結構楽しんで観ていました。
そもそもあの頃は、プレデターは2作とも観ていたけどエイリアンは1しか観ていないニワカボーイだったので。もう完全にプレデターの方が思い入れ強かったです。
結局今でもプレデターの方が好きだけどね。

ただ、しばらく経ってから見直すと「あれ?」と思う箇所が多々あったという「昔好きだったけど、今観ると微妙だった」パターンの映画でした。

取り敢えず今でも好きな所から。
プレデターの装備がいくつか改良されていますが、そのデザインは良かったです。
特にレイザーディスク。あの八方手裏剣型はイカしてました。
あとチョッパー・プレデターが両腕に装備していたシミターブレイドも個人的にはかなりお気に入り。…なんだけど、一切使う暇もなくエイリアンに殺されたのが本当に残念でならない。
もっと個々を活かせよ!3体しかいないんだから!
あ、終盤でスカー・プレデターがクイーンに飛び掛かってスピアをぶっ刺すシーンは、この映画で一番格好良かったです。

ここから微妙だった点。
まずエイリアンとプレデターが初めて対峙するのは物語の中盤辺りからだし、それまでは基本的にハラハラする展開は大してないです。
確かアンダーソン監督が「エイリアン1~2と同じく、中盤までクリーチャーを敢えて出さずに恐怖と緊張感を煽りたかった」的なことを言っていましたが、ぶっちゃけこの映画に求められているのはド派手に闘うエイリアンとプレデターなので、完全に蛇足でしかなかったです。
しかも結局その溜めの演出が目論見通り機能していたかと言うと全くそんなことはなく、何の恐怖も感じられなかったです。

あとはレイティングの関係なのか、残酷描写はかなり抑え目だし雑でした。
チェストバスターが飛び出すシーンも極力血を出さないようにしょうもないCGで描くか、もしくはプレデターの視点越しのみでイマイチ。
そしてプレデター達も基地に残っていた人間を殺して逆さ吊りにするのはいいんだけど、皮を剥がないっていうね。
防寒着をしっかり着せたまま適当に吊し上げていました。
まぁ、南極だもんね。寒いからね。そこは優しさが勝っちゃったんだよね。

「バイオハザード」シリーズ観ても感じたことだけど、この監督はちょっとでもホラー要素のある大作映画はマジで向いてないと思うの。

あんま評判良くないAVP2の方が、血生臭さマシマシで好きです。
あっちも致命的なまでに画面が暗い等々、色々問題点はありますが…


因みに今作、ノベライズ本があります。
しかしそれが本当にクソみたいな内容なんですよ。
特にプレデターファンだったら読んだ後、というか読んでる途中で本を焼却したくなるレベルで。
何が最悪かって、本の中だとエイリアン単体がプレデターよりも圧倒的な格上として書かれているんですね。
しかもそれを暗に表現するのではなくて、ストレートに書いてあるのが尚更腹立つ。

またノベライズ版では儀式に参加するプレデターが5体と、映画版よりも2体多いんですがこの2体の扱いが本当に酷い。
1体はエイリアンに不意討ち喰らって何の抵抗も出来ずにバラバラにされ、もう1体はちょこっとエイリアンに傷を負わせただけで、そのままエイリアンの集団に捕まりフェイスハガーの餌食にされます。ついでにこのプレデター、フェイスハガーが目の前に迫ってきたとき恐怖のあまり絶叫しています。
いや、これ2体足す意味あった?
何の役にも立ってないどころか、モブキャラ(人間)並みに可哀想な末路迎えてますけど。

それと終盤でスカーとレックスが爆弾しかけてピラミッドから脱出する頃には、エイリアンが何故か何百~何千という群れを成しているんだけどこれも意味が分からん。
「いやお前らどこで寄生してきたんだよ」ってなりました。
きっとノベライズ版の作者はエイリアンが大好きで、プレデターが死ぬほど嫌いだったんだろうけど流石にこれはないだろうと思いました。