とらキチ

ダーティハリー3のとらキチのレビュー・感想・評価

ダーティハリー3(1976年製作の映画)
-
シリーズを通してハリーの相棒はマイノリティが勤めてきた。メキシコ系、アフリカ系、中国系だったりと。そして今作では当時、社会進出におけるマイノリティだった女性が相棒に。女性が戦闘機パイロットに迄なる現代では考えられない、女性が外勤に就くだけで危険とされた時代の作品。
劇中、半ば強引に進められる女性の社会進出には、政治的なアピールの側面を匂わせるけど、いざ相棒となったからには同性の相棒と同じく、決して冷たくあしらわずに受け入れるハリーの優しさが印象的。
今作のハイライトはやっぱり、イーストウッド御大があのアルカトラズ島へ乗り込み、バズーカをブッ放すところ。ちなみに「アルカトラズからの脱出」は、今作より後に製作されている。あの派手なフィナーレとなる“あの画”を撮りたいがためのストーリー展開だったと思えなくもないし、そもそもの話として犯人グループがショボイのが難点。金目的のバカで凶暴なだけのヒッピー崩れな連中。むしろ今作の本当のヴィランは市警のマッケイ本部長だったのではないかと思えてしまう。そのマヌケな本部長の呼び掛けが響く、このシリーズお約束の遠景でのラストカットの虚しさがとても良かった。
とらキチ

とらキチ