カトキチ

はなればなれにのカトキチのレビュー・感想・評価

はなればなれに(1964年製作の映画)
5.0
『冒険者たち』に先駆けた“男2/女1”の登場人物だけでなく、ラストの詩がそのまんま『欲望の翼』に受け継がれ、あげく原題がそのまんまタランティーノの制作会社になるなど後世への影響も大であり、ゴダール自身は失敗作としながらも『気狂いピエロ』の前日譚にするなど、当時はもしかしたらお気に入りの作品だったのではないかと思う。それが証拠にこの作品には、急にレストランで踊り出したり、ルーブル美術館を全力疾走したり、30秒ほど沈黙したりと魅力的なシークエンスに溢れている。新聞の見出しから思いついたんじゃないかというスクリプトも『勝手にしやがれ』に共通する。まさにベスト・オブ・ゴダールな作品。小利口なフランス映画はちょっと…という人におすすめ。
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