やし

スラムドッグ$ミリオネアのやしのレビュー・感想・評価

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
3.5
「彼はなぜ勝ち進めた?」

A. インチキした
B. ツイていた
C. 天才だった
D. 運命だった


《クイズミリオネア》に出場するジャマールは2,000万ルピー(当時日本円にして3,000〜4,000万程)獲得の最終問題まであと一問のところまできた。

だが、スラム出身の彼はイカサマでの全問正解を疑われ、警察に拘束されてしまう。

なぜ彼は医者や弁護士でも解けないような難問に答えられたのか。
そして、どんな人生を送ってきたのか。


ストーリーは現在と回想を繰り返す構成。

日本でもみのもんたが司会していたあのクイズ番組《クイズミリオネア》がインドでも放映されていたのはこの作品で初めて知ったが、この人気番組とインド社会の現実を合わせてくるとは、さすがダニー・ボイル監督。


観終わって、
「感動…」もあるが、それ以上にインドの現実を見させられ受けた衝撃の方が大きかった。

いとも簡単に誘拐され、
物乞いさせるため目を潰され、
生きるために5.6歳の子供が盗みや詐欺を働き、
まともな生活を送るにはギャングらに与するしかない。


スラムで生まれ育った彼らの人生は"壮絶"という言葉で表すにはあまりに軽い。
日本や先進国で生まれた者には想像すら出来ないほど。


その"衝撃"と、
作品自体の良くできた構成によって全く飽きることなく観ることができた。
脚本賞も納得。



"対価"は妥当なものか。
やし

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