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ラーメンガールのmaのレビュー・感想・評価

ラーメンガール(2008年製作の映画)
3.9
恋人を追いかけて遠路はるばる日本へやってきたアビーだったが、すぐに恋人に捨てられてしまう。すがるように入ったラーメン屋で食べた1杯に感銘を受けたアビーは店主に弟子入りを乞うが、日本語を話せないアビーと偏屈な店主はなかなかうまくいかず、、



洋画でよく見るなんちゃって・ニッポンではなくガチガチの日本が舞台なので、なんだかそわそわする作品。

西田敏行演じる店主のマエズミが頑固親父を軽く超えてただのモラハラ・パワハラおじさんであり、言動がひどいだけでなく普通にアビーを小突いたり叩いたりするのでかなり気持ちがつらくなったが、もう凄すぎて逆に笑えてしまうシーンもあった。(例:「オメーはおでこがちいせえから脳みそもちいせえんじゃねえのか?猿の脳みそみたいじゃねえか、猿なら木にぶらさがってキャーキャー言ってればいいんだ」など)

アビーもボロボロなのに変な根性があるし、「ぶたないでよ!」「この頑固親父!」と言い返したりもするメンタルの持ち主だからどうにかマエズミのもとで修行できたと思うが、並の人間なら1分で辞めているだろう。わたしなら「テメー!」の「テ」が飛んできた時点で逃げている。

この師弟、言葉がほぼ通じないためにしばしば大喧嘩になるのに、マエズミは通じているはずだとなぜか信じているのが恐ろしかった。マエズミの奥さんが「ふたりともおかしくなる前に通訳を探した方がいいんじゃない?」と言ったが、たぶん近くで見ている奥さんもおかしくなりそうだったんだろうな。

そんなふたりをずっと見ていたからか、マエズミが辞書をめくりながらアビーに精一杯想いを伝える、魂を託すといってもいいシーンでは、わたしまで涙がこぼれてしまった。

全然おいしそうではなかったが、ラーメン食べたくなるなあ🍜
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