問題児であるために何度も何度も里子に出されているリッキー。児童福祉局が次に彼を送り込んだのは、ニュージーランドの森で暮らすヘクター・ベラ夫妻の家。快活でやさしいベラに心を開いていくものの、彼女は唐突に亡くなってしまう。そりの合わないヘクターによって里子に出されることを恐れたリッキーは、森の中へと逃げ出してしまう。
犬にトゥパック(90年代のレジェンドラッパー)と名付けるクソガキと、妻を愛するが無愛想で偏屈なジジイが絆を結んでいくまでの物語。
物を壊し、汚し、燃やしまくるクソガキも、これから養母となる人が豚の返り血を浴びながら笑っている姿を見て気絶していた。かわいい。
ベラの手作りケーキ&バースデーソングが最高だった。居心地の悪そうなヘクターと、最初は「なんだこれ?」みたいな顔をしていたのにだんだんノリノリになるリッキーも含め、とても良い。
家出を画策するリッキーに「してもいいけど、朝食までには戻ってね」と笑いかけるベラが大好き。この映画を観て、ベラを好きにならない人はなかなかいないと思う。それくらいチャーミングで、寛大で、ほんとうに素敵な人だった。
「クソガキと偏屈ジジイの絆の獲得」という物語を成立させるためにベラというこんなにも魅力的な人が死ぬ展開が用意されたことが悲しくてたまらないくらい、もう既にベラが恋しいよ。
メモ帳にベラの絵を描くヘクターと、湯たんぽをギュッとするリッキーが愛おしくて、ちょっぴりうるうる。