ひでG

戦争と人間 第三部 完結篇のひでGのレビュー・感想・評価

戦争と人間 第三部 完結篇(1973年製作の映画)
3.9
一気に観ました!
三部作、合計528分!
先週は、ずっと「戦争と人間」シリーズ!

佐藤勝さんのテーマ曲が脳内で鳴り響いていました!

前2作でも書きましたが、オールスターキャストで、太平洋戦争までをダイナミックに描いているので、長く感じず、楽しく観ることができました。

このシリーズを観て、改めて思うことは、

80年前のあの戦争のことを語る作品はたくさんありましたが、
多くは、日本に空襲があり、原爆が落とされた頃が多いし、

よって、戦争相手は、アメリカ!を一番に答えるだろう。

しかし、1931年の満州事変以来の15年の戦争の多くの相手は、中国だったのだ!

つて、ことを私たちに教えてくれた。

満州へ、大陸へ、
それを続けるために、
さらに、奥に、北に、南に、、

一度始めたことは、それを続けるためにさらに拡大していく。

それを続けるために、国内を、別の意見を
弾圧していく。

その戦争の悪魔のスパイラルを、
8時間48分は、これ以上なくいくらいにダイナミックに描き切った!

ただ、この完結編、
初め観た時から少し違和感があった。
そんな風に感じた方も少なくないはず。

「えっ、これで完結?」

中国との本格的な戦いが泥沼化して、ソ連国境で紛争になった「ノモンハン事件」までを描いているが、

戦争がさらに本格化し、未曾有の悲劇をもたらす前で終わっている。

そのため、その大波の中で、人々はどうなったかを、最後まで観れずに終わってしまった。

とりわけ、このシリーズのもう一つの主役

伍代一族の三悪人

伍代グループトップ 伍代由介役・滝沢修

戦争で儲けようとしている財閥のトップだが、欧米的な個人主義者でもあり、だからこそ子どもたちが反戦的な行動をとっていく。

伍代喬介役・芦田伸介

満州伍代の責任者、軍部とも対等に渡り合い、金儲けのためには手段を選ばない。
「オヌシ、」と相手を蔑む、

伍代英介役・高橋悦史

伍代由介の長男、イケイケどんどんの低脳跡取り。
イメージとしては、「ゴッドファーザー」のジェームス・カーン。


この完結編では、この3人の末路が当然のことながら描かれない。

観たいよね、この3人がどう堕ちていくかを、、

超長編で、多くの登場人物が出てくるが、
上記の悪役、例えば伍代の用心棒役・三国蓮太郎や
それに抗う中国人や朝鮮人役の地井武男や山本学らは、とてもイキイキしていて面白いのだが、

北王路欣也の伍代俊介や標耕平役の山本圭は、正義感が強く、ヒーロー的に描かれてあまり面白くない。

ここまで書いた完結しない完結編の原因をウキペディアで発見した。

当初は、第4部で東京裁判・伍代家の没落までを予定していたが、資金の関係でボツになってしまったとのこと。

やはり、ここが完結ではなかったのだ。

最後に、女優さんのこと。

大作のシリーズでトップ女優がたくさん出てきた。
浅丘ルリ子・栗原小巻・佐久間良子・吉永小百合、、、

でも、僕が一番心を奪われたのは、この三作目の夏純子。

可愛いし、健気だし、セクシー

8時間40分の最後を彼女で締めている。

公開当時からこの苫さん役にはときめいたが、今観ても、とても魅力的だった!

本完結編の主役、伍代
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