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交渉人 真下正義のmitakosamaのレビュー・感想・評価

交渉人 真下正義(2005年製作の映画)
1.9
スカパーにて。踊る大捜査線のスピンオフ作品だって。ユースケサンタマリアが主演。

地下鉄車両の遠隔操作の愉快犯と“日本初の交渉人”真下との心理戦を描いたサスペンス…と言いたい所なのだろうが、どうにも肝心の心理戦の面白みに欠けるのが始末に悪い。

やっぱりユースケサンタマリアに知的な話芸で心理戦を勝ち抜くキャラは無理があるよ(笑)
それにサミュエルLジャクソンとケビンスペイシーの“交渉人”のようなスリリングな犯罪捜査劇をやりたかったのだろうが…これも邦画の力不足を感じるなぁ。そもそも日本に無い文化の描写の難しさもあるのだろうが。

地下鉄を使ったロケは結構頑張ってるね。
冒頭で東陽町とか言っているので東西線か?と思ったら、路線は全部架空の名前に差し代わっている。駅名はそのままなのに。
架空の路線で、犯人が使った物語のトリックも更に架空の路線なので、ここもリアリズムが希薄になった要因だと思う。
(名称云々は大人の事情も感じ、苦し紛れな対応も理解出来るけどね。)

また犯人がよくわからないまま終わるのも、どう考えたってダメでしょう。

しかし一番意味不明なのは…真下が國村準や金田龍之介演じる地下鉄職員に見送られるシーンだよ。
若干頼り無さげだった真下が、最終決戦に向けてコンサート会場に行く時に「頑張ってこいよ!」とか言われて見送られる。最初は信用されていなかったが、何故か最後の方には真下にみんなが信頼を寄せている。

何故だ????真下のどこにみんなが信頼したんだ????
その説得力が無さ過ぎる!!!だから変なんだよ。

それにさ、真下は何しにコンサート会場に行ったの???無線で交渉しているんだから場所は関係ないじゃん。恋人がコンサート会場にいたから?意味わからなさ過ぎ。

寺島進演じる粗暴な刑事がやたらとカンを頼りに行動し、それに真下も準じるが、それがなんの意味も無い。何だソレ?

特殊車両が「クモ」という型式記号で、地下鉄の路線図を「蜘蛛の巣みたいだな」というセリフにはちょっと良いなと思ったが、それ以上の設定に広がらなかったのも惜しい。
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