緑雨

妻は告白するの緑雨のレビュー・感想・評価

妻は告白する(1961年製作の映画)
4.8
女はただひたすら愛に飢え、愛を与えてくれる男を一途に求める。男は違う。愛するにも理由を欲しがる。恰好をつけずには生きてゆけない。

登場人物の言動は一見トンデモナイのだが、最後まで観ると「男と女」の普遍を、典型を鮮やかに切り出していることが分かる。どんな男女関係だって、いろんな要素を削ぎ落としていけば、結局コレだ。

作劇としては、幸田の婚約者(馬淵晴子)の生かし方が巧い。彼女にクールな立ち回りをさせることで、ラストのシークェンスに一本芯が通った。

それにしても若尾文子!柱の陰から姿を現したときの、えもいわれぬ情念のオーラ!
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