緑雨さんの映画レビュー・感想・評価

緑雨

緑雨

古今東西、ジャンルこだわらず。年齢のせいか、量を観るのはつらくなってきた…

映画(221)
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マネーボール(2011年製作の映画)

4.5

「マネーボール理論」、セイバーメトリクスを表現(説明)できているかというと全くできていないのだが、まあよし。人と人が出会い、交わり、通じ合う瞬間の表現が抜群に素晴らしい。

ジオンビの穴埋めに獲得した
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無法松の一生(1943年製作の映画)

5.0

冒頭、二階屋から移動したカメラが映し出す路地。遊ぶ子供たち、叱る母親。歩いてくる巡査。。この時点で早や心は戦前にタイムスリップ。

芝居小屋の桝席でニンニクを焼く姿に笑い、運動会での徒競走に燃え、少年
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ハスラー2(1986年製作の映画)

3.5

突く、転がる、跳ね返る、落ちる…プール・ビリヤードのアクションをこんなにも流麗洒脱な映像に仕上げていることがまず素晴らしい。

そして、はじめは経験豊かなアドバイザーに徹していたのに、やんちゃな弟子が
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トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)

4.8

寒空の下、屋上のビルボードの前に座って二人が互いの気持ちを告白しあう場面が素晴らしい。シチュエーションもダイアログもBGMも情感に溢れてる。このシーンで生み出された「純情」が全編を貫く。だからこそ、こ>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.8

誰かに対して本気で優しくするとは、かくも過酷で壮絶なことなのか。上映終了直後はその重たい余韻にいたたまれない気分だったが、暫く時間が経って湧いてきたのは「自分の身近にいる大切な人に優しくしなければ」と>>続きを読む

マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)

4.0

松山ケンイチの怪演が引っ張る引っ張る。ファナティックなんだか、計算づくなんだかわからなくなる不気味さが絶品。

時代考証的には微妙なんじゃないかと思わされるところもある(妻夫木クンのセリフ回しとか)が
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.5

チューバッカやミレニアム・ファルコンとの関係の起源が描かれてしまうと、やはり一通りシリーズを観てきた者には沸き立つものはある。
が、それ以上に、かつての名画で描かれてきた話法がスターウォーズの世界に反
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機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

4.5

小学生の頃、この3作目だけは劇場で観た記憶がある(確か、今は無き赤羽オデヲン座で)。
当時、ララァというキャラクタがどうも好きになれなかった。突然物語に現れ、わりとすぐに退場するにも関わらず、アムロと
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機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

4.0

テレビシリーズの中間部を切り取っているから当然だが、物語の途中で始まって途中で終わっている。だからこそロードムービー感が強い。
偶然ホワイトベースで一緒に戦うことになった面々が、数々の苦難と確執を乗り
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機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

3.8

HDリマスター版にて数十年ぶりの再鑑賞。
小学生時代にテレビシリーズは一通り観ており、この劇場版もその後観たはずだが、ガンプラからガンダムに入った身にはモビルスーツのバリエーションが乏しいこの1作目は
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.5

悲しい話だが、もはや現実が映画の世界を超えてしまって、この映画も現実を後追いしているとしか感じられなかった。なので作劇には思うところはない。ただただ演技と演出の濃密な熟練に見入るのみ。
いつもの是枝組
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

この映画を観てからしばらく、心がざわついて仕方がなかったのは、映画の中のセリフにもあるように、すずさんが実に「普通」であるから。そんな「普通」があっけなく破壊される。その様に心が揺さぶられる。

ここ
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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011年製作の映画)

3.0

独特のかすれたハイトーンボイスを模したストリープのモノマネ芸の達者さには感心するばかりだが、それが一番印象に残るというところに映画としての弱さがある。

フォークランド紛争や人頭税導入の件りで見せた現
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美しい夏キリシマ(2002年製作の映画)

4.0

こんなにもひりひりとした肌合いの戦争映画は初めてだ。
グラマンは飛んできても空襲はなく、米兵は日向灘から来る来ると言われながら一向に上陸してくる気配がない。そんな一見すると長閑な田舎にも、戦争は確実に
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ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)

4.5

いい。かなりいい。決して新しくはない家族再生の物語が、美しくも儚いハワイの悠久の空間と時間の流れを舞台にすることで、どこか神々しさを帯びる。

何よりキャラクタがいい。クルーニーもいいが、娘二人、長女
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

5.0

この上なく美しい映画。全ての画面に不穏な空気が溢れる。不穏にして、甘美。

登場人物は皆プロフィールを与えられない。唯一ベティのみが多少の物語(オンタリオ出身で、地元のジルバ・クイーンで、女優を目指し
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ヒミズ(2011年製作の映画)

3.0

前衛演劇みたいになっちゃうのは園作品ではいつものことがだ、何作品も観てくるとさすがにちょっと飽きてくる。親の愛を受けられない子供たちというのもいつものテーマだが、それと3.11の結びつきがいまいちピン>>続きを読む

50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

3.8

人物造形がよく考えられているな、という印象。それが映画全体の好感に繋がっている。車社会米国民でありながら免許を持っていないという主人公のキャラ設定がまずユニークだ。
その設定が性格造形によい影響をもた
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.5

極端なアップだとか、下品なズーミングだとか、趣味の悪いカメラワークは確信犯的なものなのだろう。ただ、デ・ニーロの登場シーンはどれもなかなかキマっている。

ニック・ノルティはいけ好かない野郎。ジェシカ
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阪急電車 片道15分の奇跡(2011年製作の映画)

3.8

テレビ畑の監督だけにベタな演出も散見されるが、中谷美紀と宮本信子の凛とした佇まいと爽快なダイアログが心地よい。電車内のシートにしても、駅のベンチにしても、相対するのではなく横に並んで会話するのが好いの>>続きを読む

ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年製作の映画)

5.0

シーンが切り替わるタイミングで映し出されるロングショットがどれも綺麗だし、高層ビルの谷間を流れる川を下る遊覧船からの光景も気持ちいい。”都市の美しさ”をうまくとらえた映画だとも言える。

何度も観てる
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.5

メキシコの「死者の日」は『007 スペクター』のオープニングでも設定に採り上げられていた。宗教的意味が「お盆」とほぼ同じなので日本人の観客には馴染みやすい風習である上に、ラテンならではの陽気さがあいま>>続きを読む

のぼうの城(2012年製作の映画)

3.8

冒頭の高松城水攻めから市川秀吉の怪演で掴みばっちり。佐藤浩市が馬で城下の田園を駆け回り地勢を知らしめる。それが後段の城攻め合戦の状況描写に生きてくる。

城に乗り込んでくる敵方大将格との交渉場面が最高
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ルーム(2015年製作の映画)

3.5

暗がりで見えづらい画面の中、徐々に状況が明らかになっていく前半から、中盤の脱出劇にかけてのサスペンスとアクションは相応に見応えがある。
が、後半は凡庸。一連の出来事を、母親視点で語るのか、息子視点なの
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

5.0

大傑作。活劇として、ロード・ムービーとして、バディ・ムービーとして、あらゆる面で高次に楽しめる。そして何より会話劇としての面白さ。

「deal:取引」の映画。冒頭のヘイリー・スタインフェルドによる価
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.8

ちょっとカット細かく割りすぎじゃないの?と心配になってしまうくらいだが、絶妙な編集手捌きでハイテンポが維持され、長尺も中だるみなし。まあ『ソーシャル・ネットワーク』を撮ったフィンチャーならこれくらい出>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

3.5

ブラピをアホヅラにしたようなライアン・オニールのビジュアルが、卑しくも逞しいバリーのキャラにマッチしている。

あらゆるシーンでまず衣装装丁に目が行ってしまう完璧な時代考証といい、主人公の野卑さといい
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

3.8

こんなにも美しいのに、こんなにも息苦しいのは何故だろう。そして、あんなに息苦しいのに懐かしく、赦しを受け入れてしまえるのは何故だろう。人生の普遍が見事に映像化されている。

ブラッド・ピットだショーン
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

テキサスからロスへ、ロスからテキサスへ。一往復の空間的移動に付き合うことで、彼等一家の長く辛い人生、時間を一緒になって辿ることができる。そんなロードムービー。

同じテキサスでも、始まりは荒涼とした砂
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エレファント(2003年製作の映画)

4.5

写真部の生徒と金髪の生徒が廊下で出会い、言葉を交わして写真を一枚撮る。その傍らを図書室の手伝いに向かう女子生徒が走り過ぎる。

それだけ。ただそれだけの場面が3つの異なる時制、異なるアングルから映され
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戦火の馬(2011年製作の映画)

2.0

冒頭、大空撮にジョン・ウィリアムズの大仰な音楽が被さった時点で嫌な予感はしたのだが…

父親が何故あそこまで入れ込んで馬を競り落としたのかも、ジョーイが何故突然荒地を耕し始めたのかも、従軍医師が何故心
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流れる(1956年製作の映画)

5.0

好きな映画は他にもたくさんあるが、出来の素晴らしさという点ではこれまで観てきた一千本以上の映画の中でも一番かもしれない。感服。

高峰秀子が若い芸妓に小言を言っているファーストシーンから、ただならぬク
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マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

3.5

今は畑以外に何もない場所だけれど、一千年前に国衙として栄えた土地の記憶が息づいている。そのモチーフに心掴まれる。

妹が行方不明になる件りまで、ほとんど『トトロ』だな、と眺めていたのだが、物語はそこか
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SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

3.0

「映画内素人」と「映画内女優」を見事に演じ分ける”メタ”女優エル・ファニングの資質と完成度は末恐ろしい。

そんな彼女の独壇場となる駅での撮影シーンは、その後に起こる大惨事への予感も漂い神秘的なまでの
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

これぞ映画にしか創ることのできない世界。
一見B級っぽい態をして、ギレルモ・デル・トロは、実に周到にバランスをとって作品世界を構築している。

階下の劇場やティール色のキャディラックなど古き良き時代の
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J・エドガー(2011年製作の映画)

3.8

史上初めて「男同士の痴話喧嘩」を本気で描いた映画とも云えるかもしれない。
しかしまさかイーストウッドがこんなに切ない同性愛映画撮ることになるとはなぁ。年老いてもなお、二人して競馬に出かけ、食事を共にす
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