Borderlessな子供たちに降りかかる不条理
ルイ・マル監督の自伝的映画とか聞いた気がする。
ナチス時代のフランスが舞台。ジュリアン少年の通う寄宿学校にジャンという少年が転入してくる。次第に心を通わすジュリアンとジャンだったがジャンにはある秘密が。
ナチス時代の話となれば多分そうだろう、という展開だった。
でも、少年達にはそんなことは関係ない。同じ人間、同じ学校に通い、同じ感性で笑い・泣く。コドモにとっては人種なんて関係ない。そんなことは気にもしない。
彼らにとって「ともだち」であること以外さほど重要ではない。
そんな彼らには大人以上に不条理さを感じただろう。
大人ですら理解しがたいこの状況。少年だったらわけが分からないであろうことは容易に想像がつく。
とても静かに進みラストも静かに終わるのだけど、シンプルな言葉が彼らの思い出といろいろな出来事をぜんぶ含んだ言葉として重くのしかかる。
とあるアーティストが言ってた「Borderless」。
人間も動物も、生まれてから子供のころくらいまではボーダーがない。何人か、男か女かなんて意識しない。ピュアな世界がある。
でもいろいろな知識や知恵がついてボーダーを知る。そんなボーダーがなくなればもっと平和な世の中になるんじゃない?月から見たら地球にボーダーなんてないよ。
まさに、その言葉を思い出した映画だった。