【ボンクラ魂に火を灯せ!】
B級感丸出しのチープな演出とラストが最高にシビレる『ニューヨーク1997』をセルフリメイクしたハードボイルドムービー。
監督は勿論ジョンカーペンター。
ストーリーは前作とほぼ同じ。
《アウトローな一匹狼が嫌々ながらも危険な囚人島に潜入して、タイムリミットが迫る中で任務を遂行していく》話だが、
『ニューヨーク1997』が超クールなハードボイルド作品だったのに対して、こちらは遊園地のアトラクションを全力で楽しむバカまっしぐらな作品だ。
カートラッセルが演じるスネークプリスケンのあのカッコいいんだかダサいんだかよう分からん姿がとても素晴らしい。
脇役もB級映画界のスターが勢揃い。
『死霊のはらわた』のブルースキャンベルだろ、
『コフィー』のパムグリアだろ、
『イージーライダー』のピーターフォンダだろ、
あ!『デスレース2000年』の監督のポールバーテルもいる!
タランティーノやティムバートンが『パルプフィクション』や『マーズアタック』でB級映画の愛を叫んでいたのに反応して、
「うるせー、B級映画界の王は俺だ!」
と言ってるみたいでなんか面白い。
あと、やっぱり最後が無茶苦茶スカッとする!
『レディープレイヤー1 』はこれみたいにあのボタンを押すべきだったんだよ!
「あ、やっちゃった😜」な感じで!
別にいーだろ、あんな世界消えたって!
この映画はボンクラだ。
拷問はウォーキングマシンで処刑はバスケ。
スネークは次から次へと罠に引っかかるマヌケかと思いきや、普通なら的にしかならないハンググライダーで来襲して無双する。
シラフじゃ絶対にできねえよ。こんなの。
でも、そんなボンクラだからこそボンクラなりの道があってボンクラにしかできないことがある。
それがこの映画とあのラストに集約されているのではないだろうか。
ボンクラがここまでカッコいい映画はほかにない。
ボンクラだからってナヨナヨしてる場合じゃねぇ!
《"ボンクラ魂に火を付けろ!"》
エンディングのホワイトゾンビによる"the one"も最高です!
【Welcome to the human race】